
アコースティック・セットで演奏された「外出中」では、メロウな曲調と呼応するかのように、ゆっくりと夕陽が落ちていく。そして、周囲が、すっかり闇に包まれたところで、「コード」のスペイシーなシンセの音色が会場全体に静かに広がる。心地よいサウンドに身を任せ、ふと空を見上げると、そこにぽっかり浮かぶのは、はるか上空から優しくステージを眺めているような、まん丸のお月様。どんな舞台監督にも不可能であろう絶妙すぎる演出。SUPER BUTTER DOGがファンのみならず、音楽の神様にもしっかり愛されていたバンドなんだと、つくづく感じ入ることができた至福のひとときだった。

9 外出中
10 コード
11 5秒前の午後
池田が「お前ら潤したいのか~!」と絶叫したところから「FUNKYウーロン茶」「コミュニケーション・ブレイクダンス」「五十音」「マッケンLO」というキラー・チューンが畳み掛けるように次々と演奏される。このときの爆発的な盛り上がりといったら! スリリングかつダイナミックに拮抗するTOMOHIKOと沢田のリズム・アンサンブル、仲良く寄り添っていたかと思えば、突如、火花の散るようなバトル(兄弟喧嘩?)を繰り広げる、永積と竹内のギター・ソロ、そしてファンキーなフレーズを繰り出しながら、キーボードの上に立ち上がりアフロから湯気をあげながら、「ARE YOU READY!?」とオーディエンスをアオリまくる池田のMC。まさにライヴ・バンドとしての彼らの凄みを、まざまざと見せ付けられるような、きわめてヴォルテージの高い演奏だった。そして、この日のハイライトといえるのが、本編最後に演奏された「セ・ツ・ナ」の中盤で、永積が「バタードッグの言葉は、次の言葉につきたぜ!!」と言いながら全身全霊の力を込めて歌い上げたシーン。

そう。SUPER BUTTER DOGは“放つメッセージ”を無理やりひねり出して自らを延命させられるような小器用なバンドではないのだ。それができたら、解散という結論には及んでいなかったはずだし、また、スマートに振舞えない自らに対するダサさや歯がゆさやイラ立ちや、そうしたすべてを受け入れたうえで、これまでも彼らはいつだって汗まみれになりながら共に歩みを続けてきたわけで。少なくとも僕が目にしたライヴで、(演奏の出来/不出来は別として)彼らが“流した”演奏をしたことなんて一度たりともなかったし、取材の場においても、誰かの言葉をそのまま受け売りするような、安易な受け答えをしたことだって一度たりともなかった。そんなことを思い出しながら、刻一刻と過ぎ去っていく大切な瞬間を完全燃焼すべく、鬼気迫るプレイを繰り広げているステージ上の5人を観ていたら、ふいに目頭が熱くなった。個人的な見解としては、ハイクオリティなパフォーマンスを連発していた、アルバム『FUNKASY』発表後のライヴを軽く凌駕するような、SUPER BUTTER DOG史上、最高のライヴだったと思う。

12 FUNKYウーロン茶
13 コミュニケーション・ブレイクダンス
14 五十音
15 マッケンLO

16 セ・ツ・ナ