live house live

久しぶりに、バンドの中で歌い、演奏する永積 崇を見た思いがした。
11月29日に恵比寿リキッドルームで開催されたライブハウス公演「live house live」。もちろん、9月に開催された代々木第2体育館での2デイズ公演も、高いスキルを携えた演奏者によるバンドサウンドが構築されていたが、主軸はあくまでも、永積の発する"歌のことば"の輪郭を際立たせる点にあったように思う。しかも、この日はあえて、サポートギターを入れてない。ホーン隊を除けば、永積本人を入れて、3ピースの構成。そこには、バンドの中のギター&ヴォーカル……特に、ギタリストとして、バンドならではのグルーヴ感を生み出したいという覚悟と決意が込められていたように思う。

 19時13分。客電が消えると、永積がステージ上に姿を現す。「ようこそ。みんな、倒れないようにね。隣の人をちゃんと見ててね。で、恋が始まったりして(笑)」と満員の観客を見渡し、笑顔で挨拶する。そのままのトーンで、「ハンキーパンキー」のイントロをアコギでつま弾き、<おうお〜♪>と歌い出す。観客のクラップをビートにしたアコギの弾き語りにシェイカーが入り、<続く、続く>というリフレインとともにベースとドラムが参加。さらに、トランペットとアルトサックスのソロを経て、観客も<おうお〜♪>の合唱で参加していく。いきなり、代々木で感じた多幸感を目の当たりにしたあと、永積はエレキギターに持ち替えて、「Crazy Love」をゆったりとしたグルーヴで歌った。ギターが1人で、キーボードもいない分、音の隙間は前回よりもある。だが、耳に届く、ひとつひとつの音の粒の際立ち具合が体育館とは比べ物にならないくらいによかった。ハナレグミがバンドの音になってると感じたのはこの曲から。彼がライブハウスでライブをやる意義を強く感じると同時に、優しく和ませるだけではない、身体を心地よく揺さぶるフィジカルなグルーヴに昂揚感を覚えた曲であった。

 そんな気持ちを察したかのように、「だんだん、ここから先は体が動いていく感じになるので、慌てなくて大丈夫です」と語ったあと、<♪恵比寿のリキッドルームを目指す>と歌った「レター」、眩しい光のなかで手を高く掲げた観客や、ドラムやトランペットなどのメンバーも含む全員での大合唱となった「音タイム」、<言葉にもう、ぜんぜんならない>くらいの盛り上がりと大合唱が巻き起こった「大安」と続けた。みんなで歌えるおなじみのナンバーを立て続けに演奏したことで、会場が1つになったことは言うまでもないだろう。